夏の穂高連邦縦走2018(第1部)



記録的な猛暑が続く今日この頃、恒例の夏の穂高連邦縦走が始まります。
心配していた落雷や夕方の豪雨もなく素晴らしい3日間になりました。ただし予定していた4座目の前穂高岳は体力的な問題で取りやめました。

行程
8月2日 上高地〜横尾〜涸沢(涸沢小屋泊)
8月3日 涸沢〜北穂高岳〜涸沢岳〜穂高岳山荘(泊)
8月4日 穂高岳山荘〜奥穂高岳〜吊尾根〜紀美子平(前穂登らず)〜岳沢〜上高地






05時52分
沢渡駐車場から始発のシャトル便で上高地へ向かいます。
河童橋から眺める穂高の姿が懐かしく感じます。とは言っても前回来たのが5月中旬ですからまだ2ヶ月も経っていないです。それでもここのところ初日が雨になることが多く、夏の縦走で初日に快晴の眺めを見られたのは本当に久々なのかもしれません。





07時55分
登山者の玄関口ともいうべき横尾に到着。
今回は出だしが快調だったので明神・徳沢は素通りして一気に横尾まできました。なので8時前に横尾に到着したのは初めてかもしれません。
横尾は標高約1620mですが日向にいると暑くてゲンナリしてしまいます。ですが木陰に入るとさすがに涼しく、 下界との標高差を感じます。
簡単に朝食を済まし、休憩し、いざ本日の目的地涸沢へ向けて出発します。





09時15分
しばらく進んでいくとはるか先に北穂高岳が見えてきます。よく見ると山頂付近には北穂高小屋が見えて見ます。北穂高岳に登頂するのは明日ですが果たして今日のような快晴になるでしょうか。
それにしても前回来た時は雪で真っ白でしたが、2ヶ月も過ぎるとまるで世界が変わっています。燃え上がるような緑で溢れています。もっとも今日は大変暑いので文字通り燃えてしまいそうなくらいな勢いですが・・・





09時24分
本谷橋到着。
本谷橋は横尾から涸沢の地形的な中間地点です。「地形的な」という言葉をあえて入れたのはここから先が本格的な登りとなるので、高度でいえばまだ4分の1にも満たないくらいでしょうか。
ここから始まる本格的な登りに備えてザックをおろして休憩します。





10時04分
大キレットが見えて来ました。
こうやって遠くから眺めている分には「すごいなー」で終わってしまいそうですが、実際に大キレットを踏破すると生きるか死ぬかの大変な思いをすることになります。大キレットはとにかく規模が大きいのと飛騨泣きのように岩を登れど登れど終わり見えてこないという一種の絶望感に近いものを感じますが、踏破したときの達成感は半端ないです。





10時32分
そしてついに穂高連邦が見えて来ました。
夏の穂高ですね。若干残雪が少ないような気もしますが、この猛暑ではこうなるだろうなと納得の状況です。今回の日程は例年より1週間遅らせたのでその間融雪が進んだのもあるかもしれません。
ちなみに今回は仕事の事情で1週間遅らせたのですが、これが例年通り7月末を予定していたら見事に台風12号にぶつかり台無しになるところでした。





11時18分
涸沢到着。
万年雪が少ないですね。この調子だと今年の秋にはまた雪がなくなってしまうかもしれませんね。雪渓の上を吹き抜けて来る風がとても涼しいです。まさに天然のクーラーです。涸沢は標高約2300mですので、都会のように歩いていてジトッとした不快な感覚はないですが、なんというか乾いた暑さがあります。逆に日陰に入ると涼しくて風がとても心地よいです。





11時18分
本日の宿泊予定の涸沢小屋到着です。
今回は初めて1階の部屋に案内してもらいました。一番窓側のスペースだったのですが、丁度窓から穂高の峰々がよく見えて最高の場所でした。
さて、着替えなど一通り環境整備を済ませ、お楽しみの例のやつ・・・





カラカラに乾いた喉を潤す生ジョッキ。しかも穂高の絶景を見ながらの生ジョッキは最高です。こんなの一度体験してしまったら都会のビアガーデンで暑気払いなんて全く魅力に感じません。
思わず2杯目を飲んでしまいました。いやいや危険ですね、これは何杯でもいけてしまいます。何もかもが最高です。
さて、本日は仮眠はしたものの実質夜通し運転してそのまま登って来たので夕食まで仮眠することにします。





04時23分
二日目
登山の大原則、早目に出発し早目に到着する。
二日目はまだ暗いうちから登り始めます。ヘッドライトを照らして登ります。朝一番の直登になりますので体が慣れていないうちはかなりのスローペースで順応させていきます。ここから先は空気が薄くなることも考慮しなければなりません。





04時55分
登っていくうちにご来光になりました。
残念ながら涸沢から北穂高岳への登山道、特に下の方からは日の出が見えません。その代わりに燃えるような朝日が奥穂高岳を照らし、峰々は赤く染まっています。山頂付近は雲がかかっていますが、これは山特有のものですので本日の天候が曇りというわけではありません。事実雲は消え快晴となり午後は再び雲に覆われ、夕方は綺麗な夕日が見られました。





05時29分
朝日が涸沢に差し込んでいます。
涸沢にも朝がやって来ました。今頃山小屋では朝食の時間で賑わっていることでしょう。山の朝というのは本当に清々しいものです。





05時46分
登山道はガレ場になります。岩から岩へバランス良く登っていきます。上の方には北穂高岳が見えています。この時期はこのまま直進することはできないので、ここは一旦左に巻いて行きます。
日が出て来ると直射日光で暑くなりますので無理しないで自分のペースで進みます。何せこの後北穂高岳から涸沢岳の縦走という今回の核心部が控えているわけですから、余力を残しておかなければなりません。





06時01分
そして一枚岩の直登部分に来ます。ここから先、登山道は岩峰に姿を変えます。
この一枚岩は鎖が設置してあるので鎖を利用して上り下りするのですが、結構岩が切ってあり整備されているので岩場の経験が豊富な方ならそんなに苦労することなく切り抜けられるでしょう。





06時12分
さて、一枚岩を登り切ると北穂高岳南陵に出ます。北穂高岳から南東に伸びる稜線ですが、この稜線は最大斜度が49%もある急な稜線で、そのほとんどが岩稜です。周囲の登山者を見ていても皆びっくりするほどペースが落ちています。「あれ、あの人たちまだあそこにいるじゃん」という感じで。稜線の斜度や岩、ここに来るまでの疲労などが一気にのしかかって来ます。





06時57分
夏の高山植物が咲いています。高山植物らしく謙虚にでも美しく。でもその横で無味乾燥な岩場が登山者にこれでもかというほど容赦無く襲いかかります。もう、ここまで来たら後は連続する岩場を淡々とこなしていくしかありません。
写真の一番高いところは頂上ではありません。まだその先がありここからでは見えないだけです。





07時07分
本日宿泊する穂高岳山荘が見えて来ました。こうやって眺めるとすごいところに建っているなと改めて感心します。ですが山荘が見えているだけであって、実際にそこに行くには難易度Eランクの北穂−涸沢岳間の稜線を踏破しなければなりません。
まず、今は北穂高岳を目指して登ることにします。





07時26分
北穂高岳のテント場に到着しました。
テント場から山頂までは約20分です。ここまで来たらあともう少しだと励みになります。山特有の天候で雲がかかってしまう場合は、いつもこの辺りまで来ると空が怪しくなって来るのですが今日は全くその気配がありません。





07時40分
北穂分岐です。
ここからは3方面、涸沢、北穂高岳(北峰)、奥穂高岳に分岐します。今日の宿泊先である穂高岳山荘は奥穂高岳方面ですが、まずは北穂高岳に登頂すべく北穂高岳方面に足を運びます。





07時53分
北穂高岳登頂
この時期にこんなにクリアに眺められるのは珍しいです。その奥の北アルプスも良く見えています。
この絶景を見ているとここまでの苦労が吹っ飛んでしまいます。




記事は第2部へ続きます。

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