冬の西穂2011年11月(第2部)


北アルプス随一と言われる岩稜地帯。その玄関口とも言えるのがこの西穂独標。ここから先は穂高連峰を知り尽くした経験ある上級者のみが立ち入ることを許される岩峰。残念ながら毎年犠牲者が出ているのも事実だが、その岩稜を走破したときの喜びや達成感は他の比ではない。
今回は西穂独標まででしたが、その頂上直下は三点確保を確実にしないと絶対に登れない岩場ですので、ゆっくり、確実に登ります。





06時59分
丸山までは昨日と同じルートを行きます。小屋の前の例の急登をアイゼンとピッケルを上手く使いながら登っていきます。





07時04分
本日の日の出は06時40分とのことでしたが、曇り空のため残念ながら太陽の姿を見ることはできませんでした。
朝の稜線は風がキツイです。でもさすが、ゴアテックスのハードシェルは一切風を通しません。吹雪でもないのでミドルレイヤーを着るだけで十分です。どうせ、また暑くなって脱ぐでしょうから・・・





07時13分
丸山から先はしばらく歩きやすい稜線になります。ただ、今回は雪が溶けたり風で飛ばされたりして、地面がむき出しになっている所が多く、アイゼンをつけている人にとってはちょっと歩きにくく感じます。





07時30分
高度が上がると景色も良くなってきます。はるか向こうには雲海が見えました。写真でもぎりぎり分かると思いますが・・・





07時33分
場所によってはご覧の通りほとんど雪がありません。溶けちゃったのか? 風で飛ばされちゃったのか? どちらだろう。





07時47分
冬の梓川です。何となく凍っているようにも見えるのですが、実際はどうなんでしょう。





07時47分
そして、山頂方面に振り返ると目指す独標がだいぶ近くなってきました。青空も見え始めコンディションは上々です。





07時50分
さて、ついに岩場の始まりです。アイゼンワークをしっかりしないと、滑ってしまいます。滑ったときに岩から手を離してしまったら、即滑落です。





07時58分
遠くから見ると一見雪が無いように見えるのですが、実際は岩の隙間に入り込むように積雪しています。なので、「アイゼンを外す」などという自殺的行為は絶対にできません。





07時59分
西穂独標最後の岩登りです。ここが無理な人は西穂高岳は断念すべきです。登るときより下りるときの方が緊張感があります。
一部クサリが付いていて助かりますが、基本、三点確保で岩をよじ上っていかねばなりません。





08時07分
西穂独標登頂。
今までで一番達成感がありました。
昨日一緒に食事した女の子が私の後すぐに登頂してきました。私の方がずいぶん先に出発したと思ったのですが、やっぱり若いってのは良いですね・・・ 「いやー、荷物全然軽いですから」って謙遜していましたが・・・。

それでは、西穂独標からの眺めをどうぞ。





ピラミッドピークです(左)。ここから先に進んだ場合、最初の絶景となるポイントです。
ここへ行くには下の方に映っている岩場を登っていきます。かなり高度な技術が必要です。





笠ヶ岳方面です。かなり美しく冠雪しています。ロープウェーに乗っているときも良く目立っていました。





前穂高岳と吊尾根です。この向こう側が涸沢です。涸沢も今じゃ雪で真っ白だろうな・・・





大正池方面です。ちなみに写真では非常に分かりづらいですが、右の方に西穂山荘の屋根が見えます。





河童橋がはるか彼方に見えます。

さて、ここで一緒にいた女の子はピラミッドピークまで行ってから戻るとのこと。私は帰りのバスの関係でピラミッドピークは断念します(恐らく往復1.5〜2時間はかかると思います)。お互い無事に下山できますようにと励まし合いながら、それぞれが目指す目的地へ出発します。





09時36分
無事に西穂山荘まで下山してきました。ここまで来るとホッと一息できます。中に入って休憩しようかどうか迷ったんですが、時間的な問題もあるので、立ち寄らずに先へ進みます。





10時26分
千石園地と登山道の境界まで下りて来ました。
「登山口」の標識があってしばらく進むと、このような柱が立っていて、ここから先は観光気分だと痛い目にあうぞ的な雰囲気を醸し出しています。





10時33分
思っていたより早く着いたので、コーヒーでも飲むことにします。普段のような調理用の水は今回はありません。だって、「水の素」ともいうべきものがそこら中にあるではないですか!
雪が溶けて水にそして熱湯になるにはそんなに時間がかかりません。





はい、北アルプス雪解けコーヒーの出来上がり。
美味しーです。



そして、ロープウェイに乗り、行きとは全く逆のコースで新宿まで戻りました。

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今回思ったのは、帰りの高速バスの時間を一番遅い便にしておけば良かったなと思いました。そうすればピラミッドピークまで行けただろうし、温泉にも入れただろうし。新宿には通勤ラッシュが終わった頃到着できるし(今回は19時新宿着だったので、もろに通勤ラッシュにかかった)。
西穂はもう一度来ようと思っているのでその辺を生かした予定を立ててみることにします。
後は酒のつまみを持ってくれば良かったかな(爆)。今回、食事の時に漬け物を持ってきてくれて(めちゃくちゃ美味しかった)皆でつついたんですが、普段テント泊をしていると、こういうことってないので、とても新鮮で良かったです。


最後まで読んでいただきありがとうございました。









2011年11月28〜29日


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