越前岳(愛鷹山)


越前岳は静岡県裾野市、富士山を南側から眺めるのに最高のロケーションとなる山域です。愛鷹山塊の最高峰でもあります。愛鷹山という1187mの山もありますが、この山塊を総称して愛鷹山ということが多いようです。「穂高岳の最高峰が奥穂高岳です」というようなものでしょうか。ウィキペディアで富士山と愛鷹山の上空写真が掲載されていますので、それを見ると大変よくわかります。
今回は3人パーティーで登ってきました。
残念ながら期待していた富士山の雄大な姿を見ることはできませんでしたが、登山のあらゆる要素がコンパクトに詰まった大変魅力のあるコースで充実した山行にすることが出来ました。





09時14分
十里木(じゅうりき)バス停に到着。
今回は公共機関でのアプローチです。御殿場駅から十里木行きのバスが出ているので終点まで乗ります。こういう場所ではお決まりのパターンですが、1日の本数が少ないので帰りの時刻などは注意したほうが良いです。
御殿場からのバスの場合は登山口駐車場まで少し歩きます。





今日の行程を確認します。
まずは越前岳まで登り、富士見峠を経由して黒岳へ、山神社へ下山し、愛鷹山登山口に到着というコースです。
連休中ということもあるのかもしれませんが駐車場はすでに満車。普段はどの程度の登山者がいるのかわかりませんが、比較的多くの方々が登山準備をしています。






09時26分
ススキが季節を感じさせます。季節の移り変わりというのは早いものですね。ついこの前までは夏山で汗を拭き拭き登っていた記憶がありますがあっという間に紅葉、そして3,000m峰では雪が積もり始め、冬になろうとしています。
そんな季節を感じさせるススキをのんびりと・・・と言いたいところですが・・・






始めからいきなり急な階段。ハードル高い? 
親子連れも多く、子どもは元気に登っていますが親が疲れちゃって・・・といった光景がそこら中に。
この階段は一歩一段で登ると以外に歩幅が広いので想像以上に負荷がかかります。今日は日帰り装備で軽量化していますのでまだ良かったかもしれません。





09時33分
階段が落ち着いたところで振り返って見ると、あら〜残念、富士山は雲の中。結局、この連休で空気が澄んだ秋の空は初日だけだったような気がします。本来なら天候が安定している時期なのですがね・・・
いや、そのうち雲は抜ける。皆でそう信じることにします。





09時48分
最初の階段での登りのあとは比較的なだらかな気持ちの良い道になります。この絵は普段登っている西丹沢では味わえないですね。視界が開けているというのは開放感があっていいです。周囲の山もいい感じで紅葉していて、登るも楽し、観るも楽しといった感じでしょうか。





10時03分
そして徐々に勾配がキツくなってきます。意外にガッツリとした登りです。丹沢と比べても引けを取らない勢いです。それでも要所要所に休憩ポイントが設定されているので登り方や時間配分でどうにでもなると思います。
ファミリーで来ている方が多く、我々パーティーは先行者を次々と抜かしていきます。





10時16分
さらに登って行くと、写真ではわかりづらいですが火山性の岩の上を歩いて行く部分が増えて来ます。この時期は落ち葉に覆われていますので足をくじかないように注意しなければなりませんね。
コース外に行かないようにロープが張ってありますので、里山特有の「いつのまにかコースアウト」の心配はありません。ただし、踏み跡が複数ありコース取りに迷うことがありました。





10時35分
勢子辻分岐というところまで来ると頂上まではもう少しです。分岐して行く方面はかなり荒れている感があります。丹沢でもそうですが、メインルートとマイナールートの差が大きいというパターンでしょうか。
目的地が間近なのですぐに出発していきます。





10時41分
越前岳登頂。
山頂は多くの登山者が休憩しています。少し早いですがここで昼食にすることにしました。もう、11月ですし標高も1500mですから停滞していると寒くなって来ます。シェルジャケットを着て体温低下を防ぎます。
残念ながら越前岳山頂からは木に阻まれて富士山を見ることはできないようです。





ただし反対側の駿河湾側は素晴らしい眺めを楽しめます。
富士の街も一望できます。海からたったこれだけの距離なのに標高が1500mというのはさすが富士山の前衛というだけありますね。





11時50分
休憩を終え、次なる目標である黒岳へ向かいます。
途中鋸岳という見ての通りの稜線が見えて着ます。愛鷹山塊の第2峰となる位牌岳への稜線になりますが現在は通行禁止です。というかこれ普通の登山装備では無理でしょ・・・
越前岳から位牌岳に行くには一旦沢に降りて東沢分岐と呼ばれる地点から前岳に登り返して行かなければなりません。

そうそう、西穂高岳から奥穂高岳に行くのに稜線は危険だから上高地に降りて涸沢から奥穂に登るようなイメージですね。「なんでも穂高に例えるな」という声が聞こえてきそうなのでこの辺で(笑)




12時23分
黒岳への分岐になる富士見峠に到着です。
ここに来るまではずっと長い下りになります。途中、赤土が削れで出来た谷底のような道があり、下りだと結構慎重に行かないとズルッと滑ってしまいます。幸いにもこの時期は木の葉が滑り止めの役割を果たしてくれているので多少ですが気が楽になります。
まずは黒岳方面へ登り返します。





12時25分
距離は短いですが最初は急登です。階段状になった木の根を乗り越えて行くように登っていきます。
黒岳は愛鷹山塊では一番北にある山ですね。つまり富士山に一番近いということになります。それだけに富士山の姿が見えるかどうかが気になります。
さて、その後、富士山を取り巻く雲はどうなったでしょうか。黒岳展望広場に足早に向かいます。





う〜ん、残念!
でも全く見えないよりはまし。
こうやってみて見ると空に浮いている岩塊のようにも見えます。天空の城◯ピュタ的な・・・
それはそれで幻想的で良いのかもしれませんね。





ズームしてみます。
少し前に初冠雪しましたが、その後の気象条件により今日時点では完全に融雪しています。よく見ると小屋や観測所のようなものも見えています。
はい、これが今日の限界です。
そしてバスの関係があるので黒岳そのものには登らず下山を開始します。





12時55分
途中にあしたか山荘(無人小屋)があります。大変よく整備されていて薪や毛布など避難小屋としては充実した備えがあるようです。
水場もあり(沸騰させてから飲んだ方が良いかも??)サバイバルな体験が出来そうです。
こういった小屋がどれだけ遭難者の命を救ってきたことか。





13時19分
山神社到着。
ここからは林道沿いに歩いていきます。15分も歩けば愛鷹山登山口バス停に到着します。

当初はのんびりと歩いて富士山の眺めを楽しもうと思っていましたが、実際は結構ガチな登山道で思いがけず楽しい行程でした。
あとは鋸岳がもう少し一般的な登山道だったら、さらにランクの上がった登山ができたんだと思いますが今後の登山道整備に期待するとしましょう。

お読みいただきありがとうございました。


2017年11月5日





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