冬の西穂(2012年12月)


今シーズン第2回目の冬期西穂高岳アタックです。
 出発が予定より1時間遅れたのが最後の最後まで引きずってしまい、ピラミッドピークを目前にして自分が設定した時間を超過。第9峰で引返してきました。
 皆様、カメラのバッテリーの充電はお忘れなく前日までに・・・





10時39分
 展望園地に到着。
 この時間に到着するのは初めてですが観光客が多かったです。帰りは連休のせいもあり更に観光客が増えていました。

 本当はもっと早く到着予定でした。
 出発寸前になってカメラのバッテリーを充電していない事に気付いた自分。急遽1時間だけ充電する事にし、出発を03時00分にしました。

 中央自動車道のトンネル崩落事故の関係で大月から勝沼は国道20号線を利用します。大きなトラックとかトレーラーが皆国道を利用するので早朝に通ったのですがピンポイントで渋滞していました。同じルートを予定されている方は時間配分とか気をつけた方がいいかもしれません。

 安房トンネルの例のECTシステムはバージョンアップしていて、一旦停止してしばらく待つとバーが開いて通れるようになっていました。もういちいちカードを抜いて・・・という手間はありません。ちなみに何が起きたかわかりませんが通行料が普通車で片道 400円になっていました。

 平湯温泉周辺は完全に凍結・積雪していました。
 スタットレスで良かったと思った瞬間です。





10時50分
 いつもと変わらず一通り準備を済ませて登り始めます。
 いつ見てもこの景色はいいですね。
 当然ですが雲ひとつない晴れた冬山というのは美しいの一言に尽きます。が、静かに雪が降り積もるこの森林の姿もまた良いのもです。





10時50分
 この木々にいい感じで日が当たると、まるでダイヤモンドのようにキラキラ輝くのですが、今日は晴れていないのでダメですね。

 まだそんな光景を見た事が無いので(この場所で晴れていた事が無いんです)いつかは下界の電装されたツリーなんか問題外の美しい木々を見てみたい(撮れる技術を身につけたい)ものです。





11時17分
 ルートは一部冬期ルートになっていました。
 気温が高いせいで(っていっても氷点下前後ですが)雪が重たいように感じます。この時期特有のフワッとした感じが無いです。でもその方が歩きやすいというのも事実です。





11時45分
 高度が上がってだいぶ見晴らしがよくなってきましたよ!

 正直なところもう少し天気が良いかと思っていたのですが、この時期にしては上出来ですよね。





11時52分
 写真では分かりづらいですが、山荘近くになると斜度がキツクなります。
 それにしてもいい景色ですね。トレースを横切っているウサギの足跡がまたキュートです。





12時28分
 山荘へ到着。
 写真は山荘前から、これから登って行く方向を撮っています。

 で、まずは山荘名物の西穂ラーメンをいただきます。もとが美味しい上にこの暖かな山小屋の中で食べるという要素がさらに美味しさUP! あっという間にたいらげ、稜線に向けて出発します。

 展望園地から山小屋までと山小屋から山頂まではまるで様子が違います。特に今回のような環境だとまるで別世界のようです。





12時37分
 いつも書いていることですが、稜線に出ると風を遮るものがないので強風がダイレクトに吹き付けます。フェイスガードやゴーグルなどを装備します「お前一体誰だ状態」になります。

 でもお陰でどんなに暴風が吹き付けても寒くありません。唯一物足りなかったのは冬山用の手袋。もちろんインナーが付いていて立派なものなのですが、何せ対応温度が氷点下5度前後のものなので、次回は氷点下20度以下にも対応できるようなやつを持って行った方がいいかもしれません。ちょっと指先が冷たくなってしまいました。





12時53分
 丸山へ到着。
 あの長澤まさみも撮影のために訪れた丸山。
 ・・・全然関係ないですね。。。

 かなり風が強いです。でも動いているので寒くないです。今日はパタゴニアのインナーの上にいつものハードシェルジャケットという状態。停滞する予定はないのでこれで十分(もちろんザックの中には、これでもかというくらい防寒具が入っています)。





13時00分
 丸山を超えると広い稜線が姿を現します。

 ここは今回のような天候の時に登るのは一苦労です。風との格闘です。決して急がず自分のペースで登ります。
 
 12本刃のアイゼンは結構足に負担がかかります。でもこの稜線、特に独標から先は12本刃のアイゼンでないと無理です。言い切っちゃいます。10本刃でも難しいと思います。少なくとも前刃がついていないと無理です。





13時25分
 広くて長い稜線を登ると目的地であるピラミッドピークが見えてきます。
 まずは独標まで。
 もう一息です。ず〜と変わらす暴風が吹き付けているのでそれだけでも体力の消耗になります。次の一歩を踏み出すのが大変です。





13時46分
 ついに独標手前まで来ました。ここからは岩稜地帯です。

 ここでトレッキングポールからアイスバイルへ切り替えます。

 ルートは写真の一番右手前の小峰を超えて行くのですが、この辺りからポールでは無理になります。人の往来は無いと思いポールはそのまま雪面に突き刺してデポしていきます。





14時10分
 西穂高岳独標登頂。
 ここから見える景色はその日の天候に色々変化します。今日はとても寒い風景ですね。でも雲海もなく奥飛騨方面まで見えています。





14時10分
 この角度の写真も自分のブログではもはや定番になってしまいましたが、独標まで高度を上げると上高地や大正池がよりよく見えます。





14時18分
 休む間もなく独標から先へ進みます。
 写真は独標を山頂側へ下りたところから撮ったものですが、独標の山頂側が整備されていてとても下り(登り)やすかったです。山荘の皆様の尽力にただただ感謝するのみです。





14時22分
 そして、再び峰を上がります。順番で言うと西穂高岳から数えて10番目の峰に登頂します。

 ジャンダムルムも見えていて、西穂から奥穂の険しい岩峰の一部を見る事が出来ます。





14時30分
 第10峰を下りたところの稜線は要注意です。

 雪がついているので分からないのですが、実は非常に痩せ尾根です。そう、お分かりの方も多いと思いますが雪庇が張り出しているのです。

 なので雪庇が張り出している信州側を歩いてはいけません。人とすれ違わなければならないときは反対側の人が稜線を渡り終えるまで待つべきです。

 写真は第9峰から見た独標(11峰)、第10峰、そしてその先の危険な尾根です。どれがどれだか分かりますでしょうか??

 さて、第9峰に登頂した時点でこの時間でしたので、ピラミッドピークは断念する事にします。自分のペースを考えての決断です。





秋の穂高・涸沢3日目で「次に北アルプスに来るのはもう雪山シーズンになってからだと思いますので、次回はあの稜線から今いる場所に向けて写真を撮っているかもしれません」な〜んて書きましたが、有言実行です。
 吊り尾根と岳沢がよく映っています。





今回の目的であったピラミッドピークを見上げます。
 カメラの充電さえ忘れていなければ・・・
 1時間という時間の重さを痛感します。でも、ひとたび第9峰で引返すという決断をしたので、決断をした後の未練は一切残しません。

 先ほど書かなかったのですが、独標付近まで登るとずっと吹いていた暴風がウソのように止んでしまいました。自分の記憶では今年の2月や3月にきたときも同じでした。これがこの稜線の特徴なのかもしれませんね。

 さて、下山です。独標から下は再び暴風を受けながら進みます。


 山荘へ到着します。すでに受付は終えているので自分の割り振られた部屋でしばらく仮眠します。いつもながらの暖かい雰囲気がいいですね。
 今回は夕食を食べてすぐに寝てしまいました。

 翌日は予報通り荒天でした。最初から下山するだけの予定でしたので朝食後少しくつろいでから出発しました。ロープウェイは通常通り動いていたので安心でした。

 次は年明け1月に予定しています。天気が良くなりますように・・・


2012年12月21日




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