冬の西穂(2014年1月)第2部

恐らく西穂高岳に来るようになって以来最高の天気となった2日目

ピラミッドピークまで登れれば上出来かなと思っていたのですが、とんでもない、あらゆるコンディションの良さから西穂高岳主峰に登頂することができました。おととしの3月以来の快挙です。





07時38分

快晴です。
ご覧のように雲ひとつありません。雪だるまも顔の表情が嬉しそうになった気がします。

今日は昨日とはかわって日焼け止めやサングラスなどの対策をして登ります。雪の照り返しがとてもまぶしいですね。





07時51分

稜線が見渡せるところまで登りました。

昨日と比べると雲泥の差。「美しい」の一言です。テンションmax状態です。

でも、ここで飛ばしすぎると後で苦労するのはわかっているので、独標まではゆっくりと登ります。独標までにどれくらい体力を消耗するかで、そこから先の往復にけっこう影響するんですね。





08時44分

独標近くまで来ました。
写真の一番右の道標が立っているのか独標。真ん中の白い峰がピラミッドピーク。そしてその間から見えるのが西穂高岳です。昨日はここまで見えませんでした。さらにやる気度アップです。





09時11分

西穂高岳独標登頂。

バックの笠ヶ岳の稜線が綺麗です。もうこの独標からの写真は定番になってしまったので、何か斬新な撮り方はないかと色々工夫しましたが、自分のセンスの無さを痛感しただけでした。

よけいなことをせずに先へ進みます。





09時20分

独標を山頂側に下りたところから撮影しています。

この部分は昨年から整備されてとても通りやすくなりました。
ちなみに独標の山荘側の部分は最後雪が切ってあってさらに登りやすくなっていました。この切り出しがあったので今回初めて独標に登頂できたという方もいらっしゃいました。





09時40分

第9峰まで進みました。ここから今まで来た尾根を振り返ります。
独標から第9峰は意外に難易度が高いような気がします。岩と雪のミックス状態の場所をアイゼンを付けて通れる技術が必要です。あとは、度胸も必要。なんせ滑ったら全てが終わりだからです(怖)





でもって反対側をみるとピラミッドピークへ続くトレースがついています。このトレースを追って行くと丁度写真の中央よりちょっと上の辺りになりますが白く盛り上がっている部分があります。ここが最初の難所です。

この白く盛り上がった部分は通常雪が崩れやすいことで知られています。一歩踏み込むと踏み込む前よりも下まで雪が崩れてしまい、そのうち崩れと一緒に自分も下の方にずり落ちてしまいます。これを避けるためにザイルをつかって隣の岩を登って行く人もいるくらいです。

ただ、今日は非常にラッキーなことにこの部分の雪の崩れはなく普通にクリアできました。





09時56分

ピラミッドピーク(第8峰)登頂。

ここまで登って初めて頂上までの稜線が目視できます。

ここで頂上から下山してきた方二人組とお会いします。様子を聞くと頂上まで雪質は最高でアイゼンがよく効くとのことでしたので安心します。

彼らはここに下りてくるまで誰ともすれ違わなかったようで「もう誰もいないので気を付けてくださいね」と言ってくれました。

よし!頂上独り占めだ!! ちがう、ちがう、滑落しても誰も気付かないよってことですね、はい。





10時02分

第7峰です。
ここも一部雪が崩れそうな場所がありました。

こういう両側絶壁なところで雪が崩れてバランスを崩すと(つまり足下が崩れるということです!!)と命に関わる事なので、もし雪が崩れた場合を想定して体のバランスを調整したりバイルを立てたりして登ります。





10時10分

第6峰に来ました。第7峰と第6峰の間はそんなに高低差がないので比較的すぐに次の峰に到達できます。

徐々に山頂が近くなってきているのがわかります。





10時18分

写真は第5峰です。

第5峰自体には登らず飛騨側(写真で言う右側)を巻いて行きます。

ここから先は雪質により難易度が全く違います。場合によってはザイルが必要な場合もあります。今回はアイゼンが確実に雪面を捕らえて行きますので、あとはバランスを崩さないように慎重に進みます。





10時37分

写真の一番奥がチャンピオンピーク(第4峰)ですが、ここからしばらく飛騨側(写真右側)を巻いて行きます。

写真をご覧になって分かると思いますが、「巻く」といってもこの時期は斜面をアイゼンを効かせながらトラバースして行くので、アイゼンを引っ掛けたり、アイゼンの踏み込みが甘かったりしてバランスを崩すと、・・・あとはご想像にお任せします。。。





10時51分

ついに西穂高岳山頂直下です。最後の難所です。
ここは無雪期でも難所として知られています。

わたしは両手にアイスバイル、いわゆるダブルアックスですので、アイスクライミングの要領でこの最後の難所にとりかかります。

距離が長いので体力との勝負です。もちろん下山時も難所である事には変わりありませんが、最後の一踏ん張りという感じで気合いを入れます。





11時03分

西穂高岳登頂

実は今回、天候が良くない場合は独標まで、好天であればピラミッドピークという計画でした。

いざ稜線まで来てみるとあらゆるコンディションが最高な状態で、「これで頂上にいかなければいつ登るんだ」という状態でした。第9峰付近ですれ違った方に、今日は天気が良いのでピラミッドピークまでにしようと思っていますと話したら、わたしの装備を見た上で不思議そうな顔して「ピラミッドピークに行ける方なら頂上まで行けますよ」って言ってくれました。

山を愛する人はそういうものです。

登りたいんです。

そして登りました。

平成26年初登り ー 北アルプス西穂高岳



ここまでご覧頂きありがとうございました。

それでは最後に西穂高岳山頂からのギャラリーをご覧ください。





真ん中にジャンダルム。右に続くのは吊り尾根。ジャンダルムの左奥は涸沢岳。





ジャンダルムアップ。そして右奥にちょこんと奥穂高岳。





ジャンダルムアップ。そして右奥にちょこんと奥穂高岳。





前穂高岳と明神岳に至る稜線。





双六岳方面





岳沢と梓川





遥か遠方に見える雪をかぶったのが乗鞍岳。手前には雪をかぶった焼岳。





そして、今まで苦労して登ってきた稜線。







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