冬の西穂(2014年2月)第1部

恒例となったバースデー登山。

今年は天候に恵まれ1日目、2日目ともにピラミッドピークまで登頂できました。

今回も1日目と2日目に分けて書かせていただきます。





08時03分

07時前に登山者専用駐車場に到着しました。ロープウェイの始発は08時30分ですので少し仮眠するつもりだったのが、この時間まで仮眠してしまい、あわてて出発の準備をします。

この登山者専用駐車場からロープウェイ乗り場は少し歩くんですね。しかし、今日は道路に出るまでの道がラッセル状態でものすごく苦労しました。準備運動ってレベルではないですね。これが今回一番の誤算だったかも・・・





09時52分

ロープウェイの終点に到着。今日は大変よい天気です。
これは期待できそうですね。予報でも今日は朝から晴れとなっていました。なので登るなら今日しかない、そう思いまずは西穂山荘までの登ることにします。

今日は前回同様雪の状態がよく、アイゼンの刃の食い込みが良いです。
通常このような状態だと山荘まで1時間半が目安ですが、今回は1時間程度で登る事ができました。





10時00分

登山口は尾根に沿っているので、最初は下り坂になります。

最初の下りを終えた辺りに写真のような開けた場所が出てきます。なんだか広々として不思議な場所です。
ここを過ぎるとぼちぼち登りが始まります。途中、アップダウンを何回か繰り返しながら山荘への直登に近づいて行きます。





10時06分

先ほどの開けた場所から少し登って行くと山頂までの稜線が目視できる場所に来ます(冬ルートと夏ルートでは若干の違いがあります)。

今日の稜線は・・・ 申し分ないです! これ以上何を望むのですか? っていう状態。

ここに来ると早くあの稜線に行きたいという気持ちが強くなるのですが、今日はとりわけそんな思いが強いです。





10時50分

ここまで登れば山荘はもうすぐそこです。

写真では分かりづらいですが、ここはかなり斜度がキツイんです。体力がある方なら問題ないでしょうが、私のような者はペース配分を考えて登らないと、山荘から上の稜線が相当辛くなります。なので、ゆっくりと登って行きます。







10時59分

西穂山荘着。

少し早いですが昼食で西穂ラーメンを頂きます。っていうかもうこのパターンも定番になりつつありますね。

以前は公共の交通機関を利用してきていたので、どんなに早くても山荘に着くのが午後2時ごろだったんですね。なので昼食は麓で済ませきたのですが、今はマイカーで来るのでロープウェイの始発で来る事が出来ます。その場合は昼前に到着できるんですね。

ロープウェイは今日みたいな天気が良い日は団体客が長蛇の列を作っています。通常は30分に1本ですが、始発待ちの行列が落ち着くまでは増発便が出ます。まるで満員電車の感覚で終点まで登る訳です。

西穂山荘はご存知のように365日通年営業しています。なのでこのような厳冬期の北アルプスにわたしのような者が足を踏み入れる事ができるわけです。日帰りで山頂往復はもう無理です。はっきり言っちゃいます。

この山荘を拠点として西穂高岳を目指します。標高は約2,300mです。





11時27分

さー、昼食としばしの休憩を終えて、稜線に取りかかります。

山荘から上は森林限界を突破しますので風が強くなる事はいつも書いている通りです。ですが今日は多少の風はあるものの重装備するほどではないので、日焼け止めを塗ってサングラスとシェルジャケットのフードをかぶる程度にしておきます。

雪の照り返しがもの凄くまぶしいのでサングラスは必須アイテムです。ちなみにくもりで風が強かったり吹雪のときはゴーグルにします。





11時38分

山荘前の丘を越えてピラミッドピークまでが見渡せる場所まで来ました。

言う事ないですねこの快晴の空。そう、この時点ではの話。
何やら意味深な言葉ですが、それはもうすこし読んでいただくと明らかになるでしょう・・・

とりあえずこの時点ではテンション↑↑な状態で登って行きます。





11時52分

丸山登頂、っていうか到着。

笠が岳が綺麗に見えます。笠が岳はどの方面から見ても笠のように見えるらしいですよ。これは新穂高ロープウェイで仕入れたネタです。

この新穂高ロープウェイも通年営業(12月の始めにメンテナンスのため数日間運休になるが)ですが、これもわたしの要な者が冬の西穂高岳にアタックすることができる理由の一つです。で、ロープウェイには必ず添乗のお姉さんがいて色々山の説明をしてくれます。

いつだか、天候がもの凄く悪いとき(稜線は雲の上だったが)乗客がわたししかいないときがあったのですが、そんなときもちゃんと説明してくれたりしてちょっと感激しちゃいました。





12時06分

丸山を越えると広大な稜線が姿を現します。

今日見たいに晴れていて周囲の景色が見えるときは良いのですが、ホワイトアウトのような状態のときはあまりにも広大すぎで迷子になってしまう可能性がかなり高いです。

とりわけ冬の時期は全く別の方に下りて行けてしまうので、あるはずの山荘がないと思った頃には遭難していたということが容易にあり得るんですね。ビパークできる装備がないときは疲労凍死という結果もあり得ます。

なので、私が一番恐れているのは、登った後にこの稜線が雲の中に入ってしまい視界が無くなる事なんです。





12時59分

西穂高岳独標登頂。

道標の右下の岩に「11峰」と書いてあります。何度も書いていますが、西穂高岳山頂から数えて11番目の峰にいるということです。ここから、10峰、コブ、9峰、8峰(ピラミッドピーク)が一つの通過ポイント、そして7峰、6峰、5峰、4峰(チャンピオンピーク)が二つ目の通過ポイント、3峰、2峰、主峰で登頂達成と区分けしています。

天候や雪の状況およびトレースの有無によって、11峰(独標)までか、ピラミッドピークまでか、チャンピオンピークまでか、主峰登頂か判断します。

ならば今日は?

はい、ピラミッドピークにしました。まずは時間。独標で13時。これでピラミッドピークより先へ行ってしまうと、戻るときは日の入り近くになってしまう危険があること。次に天候。そうなんですあんなに快晴だったのに急に曇ってきたのです。次の写真をご覧ください。





これは前穂高岳と釣り尾根方面ですが、写真左から雲がかかってきているのが分かります。

天気予報では午後は曇りとなっていたので完全に雲で覆われてしまうのは時間の問題だろうと考えます。ピラミッドピークまでの往復も慎重に判断しなければいけないのですが、明日は吹雪になると思い込んでいたのでチャンスは今しかないと思い目標をピラミッドピークに設定します。





13時07分

第10峰からピラミッドピークまでの稜線を撮っています。ピラミッドピークと第9峰、第9峰と第10峰の間にあるコブが映っています。私は個人的にはこのコブがかなり難易度高いと思っています。絶壁をアイゼンをつけてトラバースしなければならないんですよ。考えようによってはこのコブが西穂高岳の稜線のなかで一番難易度が高いかもしれません。

先ほど撮影した快晴の空とはまったく様子が違ってきました。そう、それが山の天気なんです。





13時15分

第9峰登頂。

ここまで来ると一安心です。変な話ですが、万が一滑落した場合、この時期は雪の上を滑って行くので一命を取り留める可能性はあります。ですが独標から第9峰、とりわけコブの周辺は滑落したらまず命の補償はありません。はるか下の岩にたたきつけられる事になります。

第9峰からピラミッドピークの稜線はトレースを忠実にたどっていけば大きな問題はないです。途中、雪の状態が悪いと進むのに苦労する場所はありますが、今日は雪の状態が良いので問題なしです。





13時22分

第9峰を過ぎピラミッドピークまで半分くらいのところまで来ました。

これまでの写真をみてお分かりと思いますがピラミッドピーク自体はその名前の通りの形なので、斜度がきつくなります。写真では伝わりませんが実際はかなり急斜面です。





13時32分

ピラミッドピーク登頂。

本来なら頂上までの稜線が一望できるのですが、チャンピオンピークまでしか見えません。
しばらく雲が切れるタイミングを待ちますが、一瞬うっすらと主峰が見える程度ですので諦める事にします。

それでも厳冬期の西穂高岳のピラミッドピークまで登らせてもらった事を感謝して山荘まで戻る事にします。独標まで下りると再び日がさすようになりましたので、さきほど書いた広大な稜線で迷子になる心配はありませんでした。



この時点では、明日はまた厳冬期の穂高の稜線らしく視界がなく強風が吹き荒れる状態になるだろうと思っていました。

実際どうだったかは、どうぞ2日目をご覧ください。



2014年2月12日



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