穂高の春2015

本年初登りとなる予定だった奥穂高岳。

登頂予定の2日目は涸沢はみぞれ、稜線は雪という気象条件の悪さゆえに最後の最後まで悩んだ結果、稜線に登らずにそのまま下山する事を決定。朝一番で下山してきました。

穂高は逃げません、また次回に期待する事にしました。





05時23分
沢渡駐車場に到着。
ご存知のように上高地はマイカー規制されていますので、沢渡地区にある駐車場に駐車してシャトルバスで上高地に向かいます。沢渡地区は何カ所も駐車場がありますが、一番規模が大きいのが写真のバスターミナルも兼ねている沢渡バスターミナルの駐車場です。

実際に駐車場に到着したのは3時半頃。

皆、始発バスまで車の中で仮眠しています。この時期の始発バスは5時です。なのでわたしも仮眠することにします。





06時23分
いつもと変わらず、上高地河童橋から穂高を見上げます。
今日は雲が多いですね。それもそのはず、さっきまで雨が降っていましたからね。

後ほど涸沢小屋の方に話を聞いたら、今朝はみぞれだったようです。
山の天気はわからないですね。





08時25分
横尾の近くまで来ると、道が雪で塞がっています。
一応踏み後もあるのですが、ここは梓川沿いの道に迂回して行きます。

前回もその前もそうでした。
今年は残雪が少ないとはいえ、ここでは例年と変わらないようですね。梓川沿いの道をてくてくと進んで行きます。





08時44分
横尾に到着。

ここで、朝食のおにぎりを食べます。
山荘の軽食は10時からなので、この時間に到着する場合は自分で朝食を用意しなければなりません。今回は軽量化のために炊事道具はないのでコンビニでおにぎりを買ってきました。





09時01分
久々の横尾大橋です。
いつもの眺めですが、ここから眺める山々の雪が少ないような気がします。

暑くなったのでシェルジャケットを脱ぎます。
さて、この横尾大橋を越えるといよいよ涸沢に向けての登山道になります。





09時10分
横尾を過ぎてしばらくすると、3,000m峰がちらっと見えてきます。
こうやって見てみると、まだまだ雪が残っているようです。

左には屏風岩が見えています。この岩壁を登って行ってしまうのですがら、クライミングをする人はすごいなと思います。
感心しながら、先へ歩いて行きます。





09時33分
いよいよ本格的な登りがスタートする少し手前に岩宿と呼ばれる岩があります。
昔、屏風岩を登る人たちがこの岩の割れ目の中に入り、一晩過ごしたところです。

覗き込んでみると、なるほどちょうど良く人が入れるようなスペースがあります。
すごいなと思いつつ。





09時43分
登山道上に雪が残っています。
雪の上を歩いたかと思うと夏道が出てきたりと、だいぶ雪が融けている印象です。
所々に穴があいていたりするので、気をつけて進んでいかないと大変なことになっていしいそうです。





10時11分
夏期に本谷橋がかかる場所に近くなると簡単な雪渓をトラバースします。
斜度はそんなにないので、アイゼンがなくても大丈夫です。
ただし、慎重に歩かないと谷に滑り落ちてしまいますので、一歩ずつ丁寧に歩いて行きます。





10時25分
しばらく進むと完全に雪に覆われます。
いよいよ本格的な雪上の歩行の始まりです。
今回、涸沢に到着するまでアイゼンは装備しませんでした。最後の方はちょっとキツかったのですが、アイゼンなしの雪上歩行にだいぶ慣れてきた気がします。
ただ、アイゼン装備した方が確実に楽なような気が・・・





10時47分
本谷と涸沢の分岐点です。
涸沢は左に進みます。
涸沢方面にいくといきなりキツイ登りが現れます。滑らないように、蹴り込みながら登って行きます。
今回、すれ違ったり抜いて行ったりした人の足下に注目していたのですが、アイゼンを装備している人としていない人半々くらいでした。慣れている人はアイゼン装備しないで上り下りしていました。何が違うのかわからないのですが、やはり経験が物を言うんでしょうね。





11時05分
先ほどの分岐点から先が長いんですよね。
涸沢に近くなれば近くなるほど斜度が出てきますので徐々に疲れが出てきます。
ここが勝負所です。
一応落石も注意しながら歩きます。岩が雪の上を転がると音がしないんですよね。





11時12分
そしてついに穂高の峰が見え始めました。
同時にラストスパートが始まるという事でもあります。
大きく右に曲がって行くのですが、曲がったあたりから最後の登りが始まります。
日差しも、ずっとではありませんが照りつけています。
この時期の日差しは強烈です。これでもかというくらい日焼け止めを塗っているので真っ黒にならずにすみそうですが、それでも強烈すぎる日差しに戸惑いを覚えながら登って行きます。





11時51分
左側に涸沢ヒュッテが映っているのがわかるでしょうか。
夏道を登ってきたときもそうですが、意外に山荘が見えてからが長いんです・・・ 疲れが出てきているので余計長く感じるのかもしれませんが、この時期は余計に長く感じてしまいます。

右には明日登る予定のザイテングラートが見えています。
この時点ではまだ当然明日に登るものと思っていました。





12時09分
涸沢ヒュッテと涸沢小屋の分岐点です。
広大な涸沢ですから、この時点で目的の小屋へ分岐して行くわけです。
今回は涸沢小屋へ宿泊しますので、右側へ進んで行きます。
疲労感MAX状態、「後もう少し」と自分に言い聞かせます。





12時43分
ついに本日の宿泊先の涸沢小屋へ到着しました。
早速受付します。
どうやら今日宿泊する登山者で一番最初に着いたようです。
本日の宿泊者は5名。やはり連休後は本当にすいていますね。





13時06分
テント場です。
張ってあるテントはすくないですが、テント跡は非常に数多いです。多分連休中は相当な数のテントが張られたんだろうなと思います。

そういえば今年の連休は山でも本当に天候に恵まれたようですね。
ただ、天候に恵まれた分4月末からまとまった降雪がなかったとか。それはそれで異常な状態ですね。





13時19分
やっぱり生ビールでしょ!!
生ビール最高です。疲れが一気に吹き飛びます。
穂高の峰々をみながら生ビールなんて本当に贅沢ですね。今日の行程は終了したのでテラスでの〜んびりした一時を過ごします。






13時35分
この時期の涸沢もいいものですね。
のんびりと見上げます。

さて、夕食を食べて明日に備えて就寝します。





07時28分
翌朝です。

みぞれ時々雪

コンティションは最悪です。

5人の宿泊者のうち3人は北穂に登る予定で、他一人は最初から下山予定。わたしが奥穂に登る予定でした。

しかしながらこの天候ですので、北穂を予定していた3人はキャンセルして下山するとのこと。

さて、どうするか。

かなり考えました。

結局わたしもキャンセルして下山する事にしました。

理由は

①稜線に登っても奥穂高岳へ登れる状況でない。
涸沢でみぞれなら稜線は雪だし(稜線から下りてきた人がいたが雪と言っていた)、視界が効かないので無理に奥穂高岳へ登ろうとしてもルートを見失う可能性大。

②翌日は凍結する可能性大。
今日、みぞれだと、明日の朝は凍結している可能性が大きいです。
連休中、凍結が原因であずき沢(涸沢から穂高岳山荘までの登り)で600m滑落して死亡する事故が発生しています。稜線に登った場合、明日の下山もハイリスクが伴う可能性があります。


そうと決めたら、行動は早めにが山の鉄則。
朝食を摂ってすぐに下山の用意。

下山時はしっかりとアイゼンを装備します。


今回は天候に恵まれず途中でキャンセルしました。冬山は例外として、天候のために撤退するのは多分初めてです。それだけに残念ではありますが、また次回がありますので、安全第一という事で撤退を決意しました。



ゆっくり、ゆっくり下山して行きます。

必ず来年も来るぞ! と思いながら。





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