夏の穂高連峰縦走(第3部)

最終日
今日は奥穂高岳と前穂高岳を予定しています。そして重太郎新道を通り岳沢を下りていく長い行程が待ち受けています。
昨日に比べればまだ歩きやすい道ですが気が抜けないのは変わりません。
事前にチェックしていた山の天気予報では晴れとなっている本日。少しでも天候が良くなる事を願います。





04時16分
04時に起床、準備を済ませて外へ飛び出してみるとこの光景。
やった〜、快晴だ〜
これは期待できそうです。日の出は04時50分過ぎ。時間的に山頂からのご来光は難しそうなので、登れるとこまで登ってからご来光を眺める事にします。





04時39分
早朝の岩場は濡れています。穂高岳山荘を出発して最初の岩場が一番高度感があって難所です。そんな岩場が濡れていてしかも暗くてヘッドライトの明かりがたよりという状態。慎重に切り抜けます。

そして最初の難所をクリアすると、今回はじめて槍ヶ岳が見えました。そして昨日縦走した北穂高岳から涸沢岳の稜線が見えます。
ご来光まで後少しです。だいぶ明るくなってきました。ちょうど見晴らしの良い場所に来ましたのでここからご来光を眺める事にします。





04時50分
ご来光です。
この景色を見れて幸せです。そういえば奥穂高岳でこんな美しいご来光を見るのは初めてかも知れません。
しばらく美しい光景に見とれています。
シェルジャケットを上に着ているので寒くはありません。でも動くと暑いです。頂上についたらシェルジャケットはしまってしまいました。





04時56分
奥穂高岳山頂が朝日に照らされて真っ赤に燃え上がっています。
モルゲンロートですね。涸沢や蝶ヶ岳からは穂高連峰が赤く染まっているのが見えている事でしょう。
さあ、朝日に照らされながら登山を再開します。気は抜けません。岩場の連続です。





05時07分
奥穂高岳登頂
山頂の祠が木製のものから石に変わっていました。
頂上からの景色に皆感激しています。穂高の最高地点から眺める景色は最高です。今日は雲海が出ていて上高地方面は残念ながら見えませんが、それでも周囲の峰々を見渡す事が出来ます。





今日のジャンダルムは雲海の中に浮かび上がっている感じで幻想的です。
数名の方がジャンダルムに向かって歩いて行ってます。ジャンダルムへ行くにはかなりの技術が必要です。わたしはとてもじゃないけど無理なので眺めるだけにします。





槍ヶ岳方面です。
槍ヶ岳からの稜線を境に雲海が切れています。まるでナイアガラの滝のような光景です。





05時24分
さて、次なるピーク、前穂高岳に向けて出発です。
吊り尾根のトラバースです。こちらもすごい雲海です。まさに雲の上を歩いて行く感覚です。
吊り尾根は一言で言えば岩場のトラバースになります。クサリもあるし岩にしがみつくようにして下りて行く箇所もあります。いうなれば穂高連峰らしい道のりです。





05時31分
南稜の頭に到着。
ここから焼岳の姿が見えるのですが今日は雲海の下になっていて見えません。





05時35分
さあ、ここから吊り尾根の中で一番ではないかと思われる難所に差し掛かります。
クサリを使って一気に下りて行きます。
斜度はそんなにないので岩に張り付くような緊張感はありませんが、岳沢の底まで斜面が続いていますので絶対に気を抜けません。





05時35分
この斜面をトラバースして行きます。
丸印をたよりに行けば問題ありません。写真で見るとすごい難路のように見えますが、実際は何とかなるものです。それとも岩場に慣れてきて何とも思わなくなったのかな。





05時44分
ここは2本のクサリが設置されていますが、クサリとクサリの間が結構あいていてその部分は三点確保で慎重に下りなければなりません。一気に高度を下げる部分です。
ひととおり下りると、ホッと安心します。でも、まだまだ先は長いです。





06時00分
前穂高岳がだいぶ近づいてきました。
まだまだ険しい道のりが続きます。
少しお腹がすいてきましたが、朝食は紀美子平に着いてからと決めているのでここでは我慢します。穂高岳山荘定番の朴葉寿司です。今から楽しみです。





06時06分
西穂高岳の稜線は雲がかかっていて見えません。西穂高岳の稜線、また冬になったら登る予定です。





06時28分
最低コルまで来ました。
ここまで来ると紀美子平はもうすぐです。
ここから前穂高岳に直接登るルートもあると聞いていますが、地図によっては「歩かないように」と記載されているものもあり、一般的でないか冬期ルートなのかもしれません。





06時50分
紀美子平着
さあ、ここで朝食の弁当を食べます。
穂高岳山荘名物の朴葉寿司。美味しいです。こういう天井の世界で食べるお弁当は最高においしいです。
お腹も充たされ、適度な休憩も取れたので、前穂高岳に向かう事にします。





07時04分
前穂高岳へはかなりキツイ岩登りになります。縦走3日目ということでだいぶ体力が消耗しているので、無理しないでゆっくり登って行きます。
往復なのでザックは紀美子平にデポします。カメラだけを持って行きます。





07時29分
前穂高岳のラストスパートです。
難所というわけではないのですが、どの方面から来てもここに来るまでが大変なのでキツイです。
小刻みに立ち止まって息を整えながら登って行きます。意外に不安定な岩もあり、浮いている岩を避けながら登る必要があります。





07時35分
前穂高岳登頂
やはり雲海がすごいですね。
しばらく山頂からの景色を眺めます。この時間はまだ2、3人しかいないですが、前穂高岳から下りる途中でかなりの数の人とすれ違いましたので丁度良いタイミングで登頂したのかもしれません。





槍ヶ岳〜北穂高岳が見えます。
残念ながら奥穂高岳近辺は雲に覆われていて見えませんが、これだけ見えれば上出来です。
晴れていれば今まで歩いてきたほぼ全ての行程がここから見えるはずです。ま、次回に期待という事で。

さて、休憩したらついに下山開始です。

まずは紀美子平まで下りて行きます。





08時35分
紀美子平から岳沢に下りて行く重太郎新道。ひたすら下りて行くのでしんどいです。
今回は紀美子平より下は雲の中に入ってしまいましたので視界が無くなってしまいます。ここら辺は晴れていれば景色がいいんですけどね・・・
ま、夏の山ですから天候は賭けみたいなものです。





08時44分
そして雷鳥とご対面。
雷鳥というのはこういう天気の方が出やすいそうですね。雷鳥に元気をもらいます。
写真の場所の少し先にもいました。うれしくなってしまいますね。景色が見えなくても良い事ってあるものです。





09時08分
高度を下げて行くと今度は雲の下に出ます。
ちょうど岳沢パノラマからの景色が一望できました。絶景ですね。
この岳沢パノラマを過ぎると森林限界を割り込んで林の中に入って行きます。久々の林の中です。ただ道は相変わらず岩が多くて注意が必要です。





10時21分
岳沢小屋到着
炭酸飲料を飲んでカップラーメンを食べます。
すっかり日差しが照りつけるようになりました。夏の山らしいです。
岳沢小屋から上高地は1時間半と書いてあります。ここからはもう危険箇所はないのでヘルメットも外します。途中、何組もの登山者の方とすれ違います。話を聞くと岳沢小屋に宿泊して翌日穂高を目指す方が多かったです。





12時09分
上高地の散策路に合流し、登山道は終了します。

さて、今回は初めてオール山小屋泊(冬山は別にして)の登山でした。
かなり重量を軽減できましたので、体力的にもだいぶ楽でしたし、時間も予定より早く目的地に着く事ができました。

テントはテントの良さがあるのですが、重量が重くなるので結構バテてしまいます。


終始不安定な天候でしたが、登山中の降雨もなく概ね良かったのではないかと思います。夏山ですからこれくらいは覚悟しておかなければならないと思います。
直前まで台風の関係で登山自体を中止するかどうか真剣に考えていましたが、結局は満足な登山をする事が出来ました。

夏の穂高連峰縦走2015。大成功でした。


お読みいただきありがとうございました。





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