秋の穂高・涸沢2015(第1部)

今年も木々が色ずき始め、すっかり秋になりました。
恒例の「秋の穂高・涸沢」を楽しむべく出かけてきました。
今年は紅葉のタイミングが早いようで、涸沢の紅葉はピークを過ぎた状態でした。落葉も多くベストな状態とは言えませんでしたが、天候には恵まれ素晴らしい登山とすることができました。





06時18分
上高地に到着です。こうやって見るとだいぶ低いところまで紅葉が進んでいるのがわかります。
さて、今回も山小屋泊で計画していたのですが、初日の涸沢の山小屋(ヒュッテ・小屋共に)に予約の電話をしたところ、1枚の布団で2〜3人が寝るほど混雑しているとのことでしたので、初日は急遽テント泊に切り替えました。
ご存知のようにテントサイトは予約制ではなく、言うなれば早い者勝ちなので、朝一番のシャトルバスに乗って足早に涸沢に向かうことにします。







08時21分
横尾に到着。
重いテント一式を背負って、途中の明神や徳沢では一切休憩せずにノンストップで横尾まで歩き続けたものですから、かなり疲れました。
テント泊をするということはテントだけを持っていけばいいわけでなく、それに付随するもの、例えばシェラフや調理道具や食材なども持っていかなければならないわけで、一気に重さが増すわけです。今回は直前にテント泊に切り替えたものですから、食材の準備が間に合わずストックしてあったアルファ米を朝食として用意し、夕食は小屋の夕食をいただくことにしました(涸沢および穂高岳山荘ではテント泊の登山者も夕食・朝食だけ食べることができます。詳しくはHP参照)。また予約時点では2日目の宿泊予定である穂高岳山荘はさほど混んでいないとの話だったので小屋泊まりで予約しましたが、実際受付の時点で激混みだったらテントに切り替える予定でした。





08時26分
さて、横尾で朝食をとり休憩を済ませていざ出発することにします。
こうやってみると横尾大橋の隣にある木はけっこう色がついていますね。前回紅葉の時期に来たのは2012年になりますが、その時は横尾近辺はまだまだ色づいていなかったように記憶しています。やはり今年は紅葉のピークが早いのかもしれませんね。





08時53分
北穂高岳山頂は雲で覆われてしまっています。
今日は穂高の稜線上は雲が多いようですね。今日は涸沢までなのでそんなに気にはしませんがせっかくなので綺麗な秋空を期待したいものです。
登山者がみな左側の屏風岩を見上げています。話を聞いているとクライマーが屏風岩を登っているようです。わたしもちょっとみてみましたがわかりませんでした。





09時41分
この写真は屏風岩の下の部分ですが、非常にいい感じで紅葉しています。
この高度で丁度いいので、ここより標高が高い涸沢はもしかしたら見頃が過ぎてしまっているかな・・・などと想像します。前回来た時は(前回は10月の連休後だったのですが)まだここら辺は紅葉が始まっていなかったので、その年によって紅葉がピークになる時期って全然違うんだなって実感します。





09時51分
ちょっと疲れてきたかな、って頃に本谷橋に到着します。
今日はこの時間帯、下山してくる人が多いです。夏に来た時は木陰を求めて人が集中していましたが、今日は停滞していると寒いくらいなので、日が当たっているところにも登山者が多く座って休憩しています。

秋の登山は快適ですね。動くと暑いのでジャケットとかは着ていませんが、休憩でじっとしていると寒いくらいなのでシェルジャケットを着ます。この時期に登山者が多いのもわかる気がします。

さて、適度に体も休まったことだし、目指す涸沢に向けて出発することにします。





10時05分
本谷橋から先はいよいよ本格的な登りが始まります。
重い荷物を背負っているので、ゆっくりゆっくり一歩づつ進んでいきます。気分は歩荷。でも歩荷さんとは全然荷物の量が違うわけですが・・・

途中幾度となく下山者とすれ違ったり、後ろから来る方に先へ行ってもらったりしながら進んでいきます。
一応登山のマナーとしては登り優先となっているようですが、お互いに臨機応変に対応するケースがほとんどですし、わたしはせっかくの登山なのにトラブルのは嫌なので登りだろうが下だろうがすれ違う方を優先して差し上げます。まして、穂高の稜線上となると「どっちが優先」なんていう世界ではないですから、言うなれば安全が最優先ということになると思います。
そういった意味では今回、マナーの酷い登山者には遭遇しませんでしたので、そういう意味ではとても快い登山でもありました。





10時37分
そうこうしているうちに、見晴らしの良いところにさしかかります。
ここからは大キレットがよく見えます。大キレットを踏破したのは2年前。懐かしいですね。あの時は3泊4日の行程でテント泊でしたので今日よりも重い荷物でした。そんな状態であの断崖絶壁を越えていったのですからね・・・ 自分のことながら感心してしまいます(汗)
今日はすっかり紅葉した大キレット眼下に広がる横尾左俣を見つめます。






10時48分
そしてようやく穂高連峰の姿が見えてきました。
周囲の紅葉がとても綺麗です。残念ながら空は快晴というわけではありませんが、予想していたよりも紅葉が綺麗で良かったと思いました。
だいぶ疲労感が出てきていますが、こうやって景色を眺めて写真を撮るだけでもだいぶ違うんですよね。ほんの1分程度の時間ですが、これが適度な休憩になりぶっ続けで歩くのとはまた違うんです。





11時19分
さあ、涸沢はもう目と鼻の先です。
ただ今疲労感MAX。でも周囲の方々もだいぶお疲れの様子。最後の一踏ん張りです。
夏の時期はこの近辺は残雪があり、その年によっては残雪の上を歩いていくのですが、この時期はすっかり雪の姿はなくなり岩の上を歩いていきます。
一瞬、休憩しようかなと迷いますが、あと少しなので頑張ろうと思いそのまま登っていきます。しかし、この「あと少し」が意外に長いんですよね・・・






11時28分
先ほどと同じようなショットですが、紅葉の赤が綺麗なので思わず写真を撮りました。
みんな写真を撮っています。一眼レフで撮る人、デジタルコンパクトカメラで撮影する人、スマホで撮影する人。人さまざまです。最近はスマホのカメラの性能も良くなっているので素晴らしい写真が撮れていることでしょう。
あ、ちなみにわたしは一眼レフの望遠レンズなのですが、使いこなせていないのでほぼオートモードでおまかせ状態です。もったいないですね・・・





11時52分
涸沢到着。
う〜ん、だいぶ雲が出てきてしまいましたね。やはり山の天気ですね。ただ今回の行程において予報では雨とはなっていなかったのでそんなに心配していません(ま、2日目の夕方にはまさかの展開がありましたが)。

そしてまずはテントを張る場所をキープすべく、丁度良い場所を見つけます。テント場は思っていたよりも混雑しておらず、良い場所を見つけることができました。夕食を涸沢小屋で食べようと思っていたので、涸沢小屋に近い場所を確保します。





11時52分
場所を確保して一息つきながら周囲を見渡します。
北穂高岳方面です。夏に来た時はすっかり新緑の美しさがありましたが、今日は木々が紅葉しています。ま、落葉してしまっている木が多いのですが、それでも綺麗です。





奥穂高岳〜吊尾根〜前穂高岳の定番の稜線です。
夏に来た時は下の方に写っている雪がテント場をすっかり覆っていたのですが、今日は残雪(万年雪)がいつもよりも少なく感じます。今年の8月前半は狂ったように暑かったですからね。一気に溶けてしまったのでしょうか。





蝶ヶ岳方面です。
こちらの方は晴れていて秋の空って感じですね。
去年の夏は蝶ヶ岳から常念岳の稜線を往復縦走しました。こうやってみてみると高低差がけっこうありますね。また、お花畑が綺麗になる時期に行ってみたいですね。





12時11分
マイホーム建設完了!(笑)
久々のテントです。
今回は予想していたよりも冷えたので、正直もっと防寒具をたくさん持っていけば良かったと反省しています。しかもシェラフもだいぶぺちゃんこになっていたので(急遽テント泊にしたので、前日に干す余裕がなかった)ちょっと風邪気味になってしまいました。いや、こうしてブログを書いている今も軽く咳が出ています・・・

とは言っても、テント泊は自然を感じられるし、なによりも自由なので大好きです。今日小屋に泊まっていたら一枚の布団に2〜3人寝るほどの混雑状況なので、たぶんわたしのような者は寝れないだろうと思います。






こうやってテント場を眺めてみると、色々なテントがありますね。
紅葉した色とりどりの周囲の木々とはまた違った意味での色とりどりのテント。テントの花が咲いているとはよく言ったものです。

今回、みんなのテントを見ていて思ったのですが、2人以上の大型のテントが多かったですね。ま、巷ではテントブームとも聞きますからね。





12時22分
テント設営を終え、テント受付開始まで時間があるので先に涸沢小屋にいって夕飯の受付をすることにします(涸沢では先にテントを張って、時間がきたら受付をします)。
涸沢小屋のテラスからテント場を眺めます。全然テントサイトに余裕がありますね。もっとゆっくりくれば良かった・・・

さて、夕食の受付をするために小屋の中に入り、順番待ちをしているとわたしの前の方が何がごねている様子。聞いていると、「この部屋はいやだ」「この場所だと出入りができなくなる」「仲間と一緒の場所が良い」など自分の主張ばかり。小屋の方も「本日は定員をはるかに超えた状態のご案内なのでご要望にお応えできない状態です」と粘り強く対応。結局小屋の方が折れ、この人は自分の主張を通してしまいました。
わたしは本人や周囲の人に聞こえるような大きな声で小屋の方に言いました「非常識な人ですよね。本当に非常識ですね」小屋の方も「ほんとうですよ・・・」とつぶやいていました。

涸沢小屋ではテント泊の人でも夕食と朝食を食べることができます。さすがに朝食は簡単なものを用意していますので、夕食だけ予約をします。





12時30分
さ〜て、ランチタイム〜!!
カレーと生ビール。このなんでもないメニューも涸沢の紅葉を眺めながら食べると最高に美味しいんです。あっという間に平らげ、紅葉を眺めながら至福のひと時を過ごします。

そうこうしているうちにテント受付開始になったので、テント小屋へ行って受付をします。涸沢ではテント1張り一泊につき1,000円(平成27年10月現在)です。これにはトイレ利用料も含まれています。最初知らなくて、トイレに入った時ご丁寧に100円投入し、出る時に気付きました。ま、寄付ということで(笑)

テントの中で仮眠して、夕食の指定時間である17時15分に涸沢小屋にふたたび出向き、夕食をいただきます。わたしは2ローテーション目の食事。この後さらに3回目以降が控えているとのことで、食べ終わったら簡単な雑談をしてすぐに撤収してきました。

テントに戻り水の確保など明日の準備などをして、就寝します。




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