丹沢表尾根縦走2012年1月(第2部)


二日目は昨日ショートカットした鍋割山へ向かいます。同時にあの有名な鍋焼きうどんを楽しみにします。
こちらは、小丸経由とは違い登山者が多いので鍋割山から下は泥まじりの雪になっていて状態はあまり良くありませんでした。





07時10分
朝食を済ませ下山を開始します。写真は出発時の山荘前の様子です。天気予報とは裏腹に曇りで風が強いです。さすが稜線ですね。天候が良くて予備日が一日あれば、西丹沢方面への縦走も考えなくはなかったのですが、月末に西穂高への登山も控えていることもあり、無理はせず確実にトレースのある大倉方面へ下山することにしました。





07時24分
霧氷? 樹氷? 真っ白な小枝になっています。それだけ気温が下がっているということですね。
ちなみに写真とかを見るとものすごく寒そうなのですが、実際はその逆で大変暑いです。この先の塔ノ岳でミドルレイヤーを脱いだので、結局は肌の上にベースレイヤー、その上にハードシャルと2枚しか着ていません。
さらにびっくりしたのは、塔ノ岳を過ぎた当たりで歩荷さんとすれ違ったのですが、何と短パンに半袖のTシャツ一丁という信じられない姿で担がれていました。アイゼンも装備せず、長靴でカチカチに凍結した雪上を何ともなく登って行く姿にはただただ感動を覚えるのみでした。






07時41分
雪で道標が埋まっています。
この写真だけ見るとアルプス山系での写真だと言われても信じてしまいそうです。まさか、神奈川県の丹沢表尾根だとは思いもよりません。
ただし雪は水分を含んでいて重たいのが良くわかります。昨日歩いてきた道を淡々と戻って行きます。





08時01分
先ほども書きましたが、本日は昨日と違い凍結しています。分かりやすく言うと、ストックを新雪の部分に刺したとき、昨日はサクッと突き刺さったのですが、今日は思いっきり突き刺さないと、ストックが雪の中に入って行きません。
それでもアイゼンの爪が気持ちいいくらい効くので安心して歩く事ができます。





08時16分
稜線なので塔ノ岳へは登ったり下りたりを繰り返します。最後は登り一辺倒になります。
冬山の場合、夏山登山の時より時間がかかります。目的地まで1.5Kmと書かれていても夏山の感覚で時間を計算すると、進みが遅いのにびっくりします。自分の場合は明確なトレースが付いている状態で夏山と比べ1.5〜2倍、トレースが無い状態だと5〜10倍以上と考えています。(あくまでも個人の見解です)





08時58分
塔ノ岳山頂。ホワイトアウト寸前の状態です。
今回ミスってしまったのですが、ハイドレーションパックに入れていた水を、ここにくる途中で飲みきってしまいました。昨日山荘に着いた時点で残量を確認しなかったのが原因です。これもわたしの「アクシデントリスト」に追加されることになります。
そんな訳で、尊仏山荘でサイダーを2本一気に飲みきってしまいました。山荘の方と少しの時間雑談をして楽しみました。アイゼンを使わないで歩く方法を見つけないととご指導いただきましたが、山頂を出発してしばらくして恐らく100kg近い荷物を背負った歩荷さんが、アイゼンをつけず長靴だけで登ってくるのを見て、山荘の方の仰ることも一理あるなと感じました。





09時14分
金冷しまで来ました。時間優先なら左の大倉尾根から大倉へ戻るのが一番です。
が、あの有名な鍋焼きうどんを食べるべく、鍋割山方面へまっすぐ歩いて行きます。ここら辺はまだ凍結しているので昨日シャーベット状になっていた部分もガリガリ君のように凍っています。





09時52分
相変わらず視界が利きません。どうやら天気が予報より早まっているのかもしれません。今日は夜から本格的な雪になるようです。「本格的な雪」と言われると自分の中の本能がうずいてしまいます。





10時13分
丹沢表尾根は毎日誰かは歩いていると聞きます。この確実なトレースはそれを裏付けていますね。しかも一人や二人ではなく相当の数の登山者が歩いているということがわかります。
考えてみれば、こんな天候なのに今歩いている人が一人いるんですからね。





10時29分
そろそろお腹へってきたーって頃、鍋割山&鍋割山荘へ到着。鍋焼きうどんを頂きました。超おいしい! あの某ディレクター風に言うと「このあつあつの汁と豊富な具材がめっちゃおいしいです」
ここでも、山荘の方と色々お話をしてきました。鍋割山から二俣方向へ下る道は吹きだまりになっていて、金曜日は胸くらいまで積もった雪をラッセルされたそうです。
今日はそんな山荘の方のご苦労もあり難なく通る事ができました。





10時31分
この左側の看板なんですが「この先、雨山峠方面は急崚で、ヤセ尾根や鎖場など多く、経験者向きの登山道です。無理をしないで引返す勇気が必要です」と書かれています。
最後の一文「無理をしないで引返す勇気が必要です」の文字がとても痛く目にしみます(泣)





11時27分
ここで、アイゼンを外します。あまり下りすぎると泥まみれの状態の中で作業しないといけないので、綺麗な雪のうちにアイゼンを外してザックの中にしまいます。
ここまで高度が下がると凍結はしておらず雪が少ないところは泥が混ざった状態になっています。





11時35分
だいぶ雪がなくなってきました。この道はやはり人が多いです。何組もの方々とすれ違いました。
中には、私の装備を見て(ワカンとかスコップを外付けしているので)そんなに雪があるんですか??的なことを聞いてくるかたもおり、わたしが見てきた通りの事を話しました。皆びっくりしていました。「えーそんなに積もっているんですか!」ってな感じで。
あるいは、「頂上までどれくらいですか」って聞いてきた女の子二人組もいました。どこの頂上か聞いたら鍋割山でうどんを食べてまた下山するそうなので、「もう一踏ん張りですよ、頂上近くなると雪が多くなりますから気おつけてください」とお話したりと・・・
多分、早朝から登り始めるとこの時間になるんでしょうね。





12時11分
ここの分岐に着く頃には完全に雪はなくなっていました。二俣まで下りてしまえば後は平坦な道を歩くだけなので、もう少しの辛抱です。





12時35分
登山道を下りきり、車が通れる砂利道になる途中に置いてあるペットボトルの山。何かと思ったらそういうことだったんですね。ボランティアで山荘まで歩荷するって何か素敵です。覚えておいて今度協力しよう。
(写真の字読めますよね。一応・・・「このペットボトルは鍋割山荘が用意した水道水です。ボランティアで運んでいただくためにおいてあります。鍋割山荘経由の方で体力に余裕のある人、ボランティア精神旺盛な方はご協力お願いします・・・」と書いてあります)





12時36分
後は写真のような道をひたすら歩いて大倉に向かいます。
今回は雪の丹沢を求めて入山しましたが、予想以上の積雪や素晴らしい夕日を見る事ができ自分の中では120パーセントの満足度でした。また、山を愛する人々との会話も大変楽しい一時となりました。
また来たいですね。現実的な話になってしまいますが、北アルプへ行くよりも半額以下の予算で雪山を満喫できます。山荘の方も言っていましたが大倉尾根のようなメジャーな道は「人が多くどんな日でも誰かは必ず歩いている」ので、万が一のときも大事に至る確率は少ないと思います。
その気になれば日帰りでも雪山を味わえると思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。



2012年1月23日



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