呼ばれた・・・




2018年3月17日は天気は文句なしの快晴。雪こそは降雪直後でパウダーだったものの先行者のトレース多数で登山に支障なし。無事に西穂高岳山頂に登頂できました。


事が起こったのは、その後山荘まで下山する時でした。


気が付いたのは第5峰付近まで戻った時でした。
手元のGPS端末を見ると「電波ロストしました」という警告が出ていたのです。前回はきちんと動作したし、この稜線で電波ロストすることなどなかったので「変だな」と思いつつ、一度再起動をしました。
ところが再起動してもすぐに電波ロスト状態になるだけでなく、現在地とはかけ離れた意味不明な場所をポイントし始めました。

この瞬間、何か普通じゃないものを感じたので、とにかく独標まで戻ろうと、稜線を下りていきました。

この時は事なきを得て無事に山荘まで下山できました。




自宅に帰り、GPSデーターを分析したところ、背筋が凍るような結果が出ました。

それが次の画像です。


お分りいただけるでしょうか?
まさに電波ロストした第5峰付近から独標隣の第10峰の間でGPSが誤作動しており、独標手前で何事もなかったかのように通常復帰しているのです。GPS自体は氷点下20度まで動作保証されており、バッテリー残量も十分でしたので機器の故障とは考えずらいです。

電波がロストしていた区間というのは滑落死亡事故が多い場所でもあります。

GPSが誤作動して送信した位置情報を見て見ると、例えばロープウェイの鍋平高原駅だったり、上高地の小梨平と明神の中間地点だったり、大滝山近辺だったり全く関連性のない場所がポイントされています。

これぐらいだったらまだ誤作動で済まされるのですが、それ以外の場所をよく見ると、西穂高岳の稜線の左右に移動した場所を示しています。
地形図と照らし合わせると、何と「もし滑落したらここに落ちるだろう」といった場所を示しているのです。第9峰付近で飛騨側に滑落した場合、第4峰付近で信州側に滑落した場合などは恐らくここに行くよな、といった場所をポイントしています。


もしかして呼ばれていたのかも?・・・


ゾッとしてきました。

しかも、この時の登山記録に書きましたが、新雪が積もっているものの下層の雪の量が少なく、アイゼンの刃が岩まで到達し引っ掛けて転びそうになる事が多かったのです。
ですが、今回はそれが不自然に電波ロストした区間に集中しており、記録には書きませんでしたが、ここでバランス崩したらまずいでしょと言った場所に限ってアイゼンが岩に引っかかって転倒しそうになっていたのです。


これまで西穂高の稜線上では色々と怖い思いをしてきましたが、今回の体験がこれまでで一番怖いものとなりました。

呼ばれたのか?・・・

だが、まだいくわけにはいかない・・・








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